自分を癒すものだから本物を選びたい。品質のいい精油の見分け方。

精油(エッセンシャルオイル)を選ぶときに大切なこと。

それは、「品質」です。

 

そう言い切るのには理由があります。

 

それは、香りは「嗅覚」を通してダイレクトに脳に働くから。

香りの信号は自律神経を刺激して、呼吸や血圧、血流などに働いていくことが分かっています。

 

ただしそれは、「本物の精油」を使った時のみ得られる働き。

精油の効果効能と言われているものは、精油を構成している天然の芳香成分が身体にどう働くかを表したものなのです。

 

働きの理由になる成分が含まれていないものは、もちろん、その効果効能もありません。

その大切な成分が含まれているのか、いないのか、

その精油は本物なのかニセモノなのか、それを見極める方法はあるのでしょうか?

●本物の精油って何?

精油はこれが本物!という決まりは実はありません。

 

え?

と思ったあなた。そう思うのも不思議ではありません。

こういう精油を選びましょうという基準は様々な団体が定義しているので聞いたことがある方も多いと思います。

 

しかし、医薬品や化粧品のように、国が定めた決まりはないという意味です。

精油は商品の分類としては「雑貨」扱いになります。

 

手帳や文房具、ポーチなどが売っている売り場で精油も売られていることがあるのはそのためです。実は誰にでも販売できます。

 

ちなみに第一類医薬品は薬剤師のみにしか販売できないですし(副作用リスクが高いため)、化粧品を販売するためには高いハードルがあります。

 

精油が「雑貨」である大きな理由の一つに、精油が農作物に近い性質を持っていることがあります。気象条件や土壌、気候、原産国などによって大きく成分が異なり、一定に保つことが難しいため精油をそのまま「化粧品」として販売することはできません。

 

「雑貨」として簡単に販売できる精油は、その性質からより安く売るため人工香料(合成香料)が混ぜられていたり、すでにアルコールなどで薄めて売られたりしていることもとても多いため、どれが「品質のいい本物の精油なんだろう?」という疑問があちこちから聞こえてきます。

 

そんな疑問を解決すべく、

ここでは、実際にイギリスの学校で教えている「精油」の定義や日本の主な基準に沿って、

「本物の精油」の見分け方をお伝えいたします。

 

「本物の精油」の定義

『精油を植物から抽出した後、人の手を加えることなく混じりっけのないもので、古くなったり劣化していない状態である』

 

この定義に沿った精油の見分け方をご紹介していきます。

※精油にはオーガニック精油とそうでないものがありますが、ジャスミンなど抽出方法が限られているものはたとえ本物であってもオーガニックとしての販売が大変困難なものもあります。

そのため、ここではオーガニックとそうでないものの区別はしていません。

●本物の精油を見分ける方法

ニセモノに要注意。本物の精油の見分け方。

 

アロマセラピストはみんな知っている、でも、皆様にはほとんど浸透していない、その見分け方をお伝えします。

1.~初級編~ 表示で見分ける

はじめて精油を手に取った時、まず最初にするべきことは、実は香りを嗅ぐことではありません。

 

はじめて精油に触れる時は、まずは「表示」をチェック!

 

「本物の精油」には必ず書いてあることが5つあります。

 

ⅰ)エッセンシャルオイル又は英語でessential oilの記載がある

アロマオイルと書いてあったり植物の名前だけ書いてあるものは合成香料や混ぜものだと思って間違いありません。

石油由来の安価な香料や安価なアルコールが混ぜてあることが多いので注意。

 

 

ⅱ)学名が書いてある

例えば、オレンジの精油。

「オレンジ」と言っても、スィートオレンジやビターオレンジなど色々あります。知識のある方は当たり前に知っていることですが、初めての方は知らなくて当たり前。

英語や日本語表記のオレンジやラベンダーというのは「ニックネーム」だと思ってください。

その植物の本名はラテン語で学名で記載されています。

スィートオレンジであれば「citrus sinesis」が学名です。馴染みがない名前ですがこれが本名なのです。

どんな植物から取れたものなのか、本物には必ず”本名”の記載があります。要チェックです。

 

 

ⅲ)遮光瓶(光を遮る青や緑、茶色の瓶)に入っている

精油は日光に弱く酸化しやすいもの。

それは精油が「生もの」だからです。使用期限も記載されているはずです。

透明の瓶に入ったものは精油ではなく香料(合成香料)なので期待する効果や働きは得られませんし、化粧品でない限り肌につけてはいけません。トラブルの原因になります。

 

 

ⅳ)原産国の記載がある

スーパーで売っているレモンにもアメリカ産のものと瀬戸内産のものがあるように、精油にも原産国があります。

その土地の気候や土壌、環境などで精油に含まれる成分は異なります。

どこで取れた植物から抽出されているのかまで、きちんと記載できているものは、品質に自信があると思って間違いありません。

世界各国の植物から抽出されていることに驚くのも楽しみのひとつです。

 

 

Ⅴ)成分分析表がついている

どんな成分を含む精油なのか、精油一つ一つに分析表がついている精油もあります。

その分コストもかかっているので、通常の1.2倍ほど高い精油がほどんどです。

分析表を正しく読めるプロの方、もしくは精油選びにとてもこだわりを持っていらっしゃる一般の方はこの項目もチェックしてみてください。

 

その他)

その他に、使用上の注意点や輸入販売元も記載されているので、何かあった時のために確認しておきましょう。

2.~中級編~ 学んで見分ける

「精油は高い」そう思っている方、多いのではないでしょうか?

精油について少し学ぶだけで、「精油は安く販売できない」ことがよく分かります。

 

同じ精油でも、柑橘系の精油と最高級のバラの精油では時に20倍以上の価格差があるその理由も、ちょっとした知識で理解できるようになります。

 

その価格の理由を知ると、精油の見方が変わり、見分ける力がついてきます。

希少で高価な精油

 

例えば、精油の中でも、香料の世界でも圧倒的な人気を誇る「ローズ」

 

本物の精油は大変高価で1ml約20滴分で8000円ほどです。蒸留所では抽出後のものは金庫にしまわれているほど大変貴重で高価なものです。

 

その価格の理由は、大きく2つ。

1つは、本物のローズは手摘みされているということ。

2つめは、大量の花びらからほんの少量しか精油が抽出できないということ。

 

希少で手間がかかるほど価格が上がるのはどこの世界も同じですね。

 

また、日本では白檀として知られている「サンダルウッド」も木が完全に育つのに約50年かかるため、とても高価です。

インド・マイソール産のサンダルウッドは絶滅危惧Ⅱ種に指定されていて、インド政府によって管理されており、入手は極めて困難です。

 

また、取れる年によって成分にばらつきがあるのが精油の特徴。

天候によっても価格が左右されやすくなっています。

 

 

精油と合成香料(人工香料)

このように精油は植物から少量だけ抽出できる希少な天然のものですが、天候や土壌、栽培方法や抽出方法によって品質にばらつきが出るもの。

まだ解明されていない成分も多く、コントロールが難しいのも確かです。

 

一方、合成香料は人工的に抽出した成分を人の手で組み合わせて作れるので、大量生産が可能で品質も安定させることができます。

香水は、合成香料と精油(天然香料)を合わせて作られています。

 

香りを嗅ぎなれているプロでも、その2つの香りの差を嗅ぎ分けるのは難しいほど合成香料の技術は進んでいると言われていますが、実はその香りの心身に対する働きは異なり、合成香料には精油のような効果効能は期待できないという実験結果も。

 

もちろん、どちらを選ぶかはその目的によって変わってきます。

美しい香りの香水を纏って外出したい時、香りでゆったりリラックスしたい時、TPOに合わせて選べる知識を持つことは精油を見分けるうえでもとても大切です。

 

3.~上級編~ 香りで嗅ぎ分ける

精油が本物かどうか見分ける方法として、実は一番難しいのが、香りで判断することだということを知っていますか?

 

【~中級編~学んで見分ける】でも書いたように、天然の精油と合成香料の香りは嗅ぎ分けるのがとっても難しいのです。

そもそも、本物の精油の香りを知らなければ、嗅いでも本物かわからないですし、生まれて初めて嗅いだ香りが合成香料のバラの香りだったら、それが本物のバラの香りだと思うのが自然です。

香りは記憶と深く結びつくので、当然のこと。

 

香り以外の例を挙げると、果汁0%(無果汁)のオレンジ味の清涼飲料水を子供の頃から飲んでいる人は、果汁100%のオレンジジュースを飲んでも「いつもと違う」と思うだけでどちらが本物かというのは分かりません。

オレンジ味の清涼飲料水を本物という可能性だって十分にあります。

「オレンジ味の透明な飲料水」は最たるもの。

目隠しをして飲んだら誰でも「オレンジの味がする」と答えるでしょう。

 

つまり「品質」に関して言うと、香りの記憶を頼って精油を選ぶことは「本物を選ぶこと」にはならないのです。

 

ただ一つ、覚えておくと役に立つことがあります。

それは、天然の精油は原料になる植物を実際触ったり嗅いだりしたときと同じ匂いがするはずだということ。

 

原料そのままの香りを探そう

精油は植物のパワーや香りが凝縮されているので「濃い」香りがしますが、

拡散させたりキャリアオイルなどの基材で適度に希釈すると、植物そのものの香りがします。

柑橘類や花の精油であれば、原料の香りに触れたことがあるものも多いですので、どうしても香りで選ぶ場合は、「原料の香りがするか」を基準に嗅いでみてください。

そして、できるだけ多くの「本物の精油」の香りを覚えることで、少しずつですがその違いが分かってきます。

 

●まとめ

ニセモノに要注意。本物の精油の見分け方。

本物の精油は、正しい見方と、知識、経験である程度見分けることができます。

ここでお伝えしたポイントを参考にして精油を選ぶことで、まず、「精油でないもの」を「精油」だと思って買うことはなくなります。

 

あとは、使っていくうちに様々なメーカーのものを嗅いでいくことで、自分の「感覚」も養っていけるといいですね。

 

繰り返しになりますが、精油の効果効能を求めてアロマセラピーをはじめる方は、香料では全くその働きを実感できませんので、ぜひ「本物」を使うようにしましょう。

目的に合わせて使い分けることが大切です。

※精油は医薬品ではありません。精油の効果効能とは精油に含まれる成分の働きを表すものであって、傷が治ったり病気や風邪が治ったりするものではありません。

また、精油を使用する際は必ずキャリアオイルなどの基材で希釈して使用してください。

原液での塗布や精油を飲むことは絶対にしないでください。